仮想通貨Zcash(ジーキャッシュ)とは?

仮想通貨(暗号通貨)700種類以上存在すると言われていますが、ビットコイン以外の仮想通貨(暗号通貨)を総称してアルトコインと呼びます。

今日は、そのアルトコインの中でも現在(2017月5月23日)急騰中で大きな注目をあびているZcash(ジーキャッシュ)に焦点を当てて記事を書きたいと思います。

Zcashとは?

基本情報

Zcash(ジーキャッシュ)
通貨単位:ZEC
発行上限枚数:2100万
承認時間:10分
コンセンサスアルゴリズム:プルーフ・オブ・ワーク(PoW)
開発元:Zcash Foundation

Zcashは2016年10月28日にリリースされた比較的新しい種類のアルトコインです。

ビットコインでは公開鍵(固有の文字列だと思ってください。)が取引の際に全世界に公開されるため、取引履歴を非公開にする事はできませんでした。

Zcashは、取引履歴を完全に非公開にするプライバシー保護を謳う仮想通貨で、利用者のプライバシーやセキュリティを守る点で注目を集めています。

ゼロ知識証明

この取引の秘匿性は、「ゼロ知識証明」という技術によって支えられています。

ゼロ知識証明(ぜろちしきしょうめい、zero-knowledge proof)とは、ある人が他の人に、自分の持っている(通常、数学的な)命題が真であることを伝えるのに、真であること以外の何の知識も伝えることなく証明できるようなやりとりの手法である。ゼロ知識対話証明(ZKIP)とも呼ばれる。

(Wikipedia)

つまり、ある命題が正しいことを証明する場合、相手に「その命題は正しい」ということ以外は何も伝えずに示す方法です。

わかりにくいので、話に例えますと次のようになります。

Pさんは、魔法の扉を開くための合言葉を手に入れます。ある洞窟は途中で二つに分かれて奥でつながった構造を持っていて、その魔法の扉で仕切られているとします。

次にVさんはお金を払ってでもその合言葉が知りたいが、Pさんが本当の合言葉を知っていると確認してからお金を払いたい、としましょう。

Pさんは「教えてもいいけど、お金をもらうまでは教えたくないよ。」とVさんに伝えました。

そこで、合言葉そのものは教えることなく、正しい合い言葉を知っているという事実だけを証明する方法を考えました。

まず、Vさんは洞窟の外で待ち、Pさんだけ入ります。左右の分かれ道をランダムに選び奥に入るとすると、左右の道を選ぶそれぞれの確率は1/2になります。この時、VさんはPさんがどちらを選んだのかはわかりません。

そのあと、Vさんが左右の道をランダムに選び、Pさんに、「左右選んだ方の道から出てきてほしい」と伝えます。そうすると、Pさんが合言葉を知っていれば反対側にいても合言葉で魔法の扉を開けて通るだけでVさんの選んだ方から出てくる事ができます。

もしPさんが合言葉を知らなかった場合、入った道から出てくる確率は1/2です。

これを何度も繰り返すことによって、何回も成功したならば、Pさんが正しい合い言葉を知っているという事実だけを証明する事ができます。(例えば、10回繰り返すと1/1024の確率でしかPさんは嘘をつけません。)

このように、ある命題が正しいことを証明する場合、相手に「その命題は正しい」ということ以外は何も伝えずに示す方法は複雑な手順を踏むことになります。

これにより、デジタル署名など、秘密の知識を所持していることをもって、本人であることを他の人に示したいが、この秘密自体を誰にも開示しなくてよい認証方式を実現することができるんですね。

少し難しいかもしれませんが、これ以上踏み込むと専門的な話になりすぎて仮想通貨Zcashの話題からそれてしまうので、ここまでにしておきます。

PoW(Proof of Work)

Zcashは発行上限枚数を2100万枚にしてPoW(Proof of Work)を採用する等ビットコインに似た側面を持つため、「第二のビットコイン」とも呼ばれています。

 

Zcashの購入方法

国内取引所ではcoincheckのみ扱っています。以下から購入する事ができます。

日本で一番簡単にビットコインが買える取引所 coincheck bitcoin

 

Zcashの投資

Zcashのチャート

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Zcash急騰の理由

 

2017年5月22日15時頃一瞬で2倍以上の値上がりを見せる等急激な値動きをしました。

原因とされているのがこの報道です。

JPMorgan Partners With Zcash on Blockchain Security - CoinDesk

英語を読めるかたはわかると思いますが、簡単に言うと世界最大の銀行JPモルガンZcashチームのゼロ知識証明を使用したプライバシー保護のレイヤーをエンタープライズグレードで設計するというものでした。

JPモルガンは時価総額30兆円になりますので、もしZcashの時価総額が30兆円になれば今の3000倍ですね…ありえませんが。

この時間のチャートに限らず、Zcashのトレーダーは反応が早く急激な上げ下げをする事が多いです。投資をする際は短期売買で売り抜けるのが賢明でしょう。

Zcashの今後

Zcashは取引追跡をできない完全秘匿性を持つ仮想通貨であるため、利用者にとってプライバシー保護の利益がある反面、マネーロンダリング等犯罪に使われるケースが想定されます。

ビットコインをはじめとする仮想通貨が普及すれば、誰がいくら使ったかはわかるため、国も課税しやすい等のメリットがあるのですが、Zcashについては将来規制がかけられる可能性があるのではと筆者は考えています。

今後の動向に要注目でしょう。